前回・前々回の解説で、それぞれ「右手の使い方」「左手の使い方」の解説をしました。
→【腕の使い方の基本 #2】左手の使い方
→【腕の使い方の基本 #3】右手の使い方
今回は、アームローテーション(両手の使い方)についての解説をします。
- アームローテーションとフェースローテーションの違い
- スイング中のアームローテーション(腕の動き)を理解する
- 右手も左手も身体の右サイドでスイングは完結する
- 4スタンス理論のタイプでアームローテーションは異なる
アームローテーションとフェースローテーションの違い
アマチュアゴルファーは、アームローテーションとフェースローテーションを混同している人がたくさんいます。
これは、ゴルフ指導者にも区別出来ていない人が多くいることが原因です。
腕の動きを身につけるには、ストレッチ・筋トレで腕・肩まわりの筋肉に刺激を与えることが近道になります。
→【1日30分/週1回】自宅でできるゴルフの為の腕・肩まわりトレーニング
→【ゴルフの為のストレッチ#1】首まわりの筋肉をほぐす
→【ゴルフの為のストレッチ#3】肩・腕・肘まわりの筋肉をほぐす
フェースローテーションとは?
インパクトゾーンにおけるクラブフェースの開閉運動のこと。
- インパクトゾーンのスタート地点:フェースが開いた状態
- インパクトゾーンのゴール地点:フェースが閉じた状態
インパクトゾーンにおけるフェースローテーションは、ゴルフスイングの基本中の基本です。
フェースローテーションの動きは必ず理解した上でスイングの練習をしてください。
→ゴルフスイングの基本中の基本!フェースローテーションのメカニズム
アームローテーションとは?
バックスイングからフィニッシュまで、スイングにおける一連の腕の動きのこと。
- インパクトゾーン:正確にボールを打つための腕の動き
- バックスイングから切り返し:ヘッドを加速させるための腕の動き
これら全ての動きのことをアームローテーションと呼びます。
前腕の回転がアームローテーションでは無い!
多くの人が勘違いしている事が、前腕を回転させる動きがアームローテーションだと思っていることです。
腕の動きだけでフェースローテーションをしようとすると、このような動きが正しいと勘違いしてしまいます。
このような動きはスイング中の悪いクセを身に付けてしまいます。
正しいアームローテーションを理解する
バックスイングからトップのアームローテーション
バックスイングからトップにかけてのアームローテーションは、4スタンス理論のタイプによって異なります。
→ゴルフスイング【4スタンス理論の基本 #1】1人でできるタイプ診断方法
→ゴルフスイング【4スタンス理論の基本 #2】AタイプとBタイプの特徴
Aタイプのアームローテーション(トップ)
4スタンス理論のAタイプの場合、右肘は身体の正面からほとんど動かしません。
右肘を支点にしてアームローテーションを行います。
両肘をしっかり締める動きになるので、慣れるまでは窮屈に感じます。
Bタイプのアームローテーション(トップ)
4スタンス理論のBタイプの場合、右肘を肩の高さまで挙げます。
スイング全体を通して、Bタイプの人は肘を大きく動かします。
上に挙げて、下に降ろす。シンプルな動きに例えられることが多いです。
インパクトゾーン(スタート地点)のアームローテーション
インパクトゾーンのスタート地点は、右肘を身体の前にセットした状態です。
トップで作った両腕の形はそのまま動かしません。
右肘だけを身体の前へ引き付けます。
右肘も右手首も曲がったままなので、右手のひら(フェース)はやや上を向いています。
インパクトのアームローテーション
インパクト直前まで右肘・右手首は曲げた状態をキープします。
インパクトでは、左手首を掌屈させます。
左手首を曲げる動き、もしくは左手の甲を下に向ける動きです。
実際にスイングをすると、左手首の動きとフェースの向きの関係性は分かりません。
アームローテーションだけの動きをすると、左手首を掌屈させないとフェースが正面(飛球線方向)を向かないことが分かります。
左手首の掌屈は、アマチュアゴルファーが出来ない動きの1つです。
インパクトでは必ずこの動きを入れるように注意してください。
→ゴルフスイング【手首の使い方の基本 #3】左手首を掌屈させるタイミング
フィニッシュ(インパクトゾーンのゴール地点)のアームローテーション
フィニッシュ(インパクトゾーンのゴール地点)では、両腕をまっすぐ伸ばします。
身体の正面でフィニッシュを取ることができたら、アームローテーションが正しくできたと言えます。
このとき、前腕を回転させる動きはしません。
アームローテーションはインパクトからフィニッシュが難しい
アームローテーションはインパクトからフィニッシュが一番難しい動きになります。
遠心力・パッシブトルク(回転する力)が最大になる瞬間だからです。
これらの力に逆らいながら両腕をまっすぐ伸ばす必要があります。
クラブの遠心力・パッシブトルクに負けてしまうと、
- 遠心力に負ける→カットスイング・スライスの原因になる
- パッシブトルクに負ける→左への引っ掛け・チーピンの原因になる
遠心力・パッシブトルクともに、ヘッドスピードが上がるほど力が大きくなります。
ヘッドスピードが上がるほど、スイングが難しくなる原因です。
アームローテーションは右手主導?左手主導?
ゴルフスイングは、右手主導か?左手主導か?
常に議論される問題ですが、正しいアームローテーションは両手を同調させることです。
右手にも左手にも、それぞれに役割がある
右手と左手には、それぞれの役割があります。
・右手は、パワーをボールに伝える
・左手は、クラブをコントロールする
右手主導にして、左手の動きをおろそかにするわけにはいけません。
左手主導の場合も同じです。
右手も左手も、それぞれの役割をしっかりこなす必要があります。
どちらの動きがおろそかになってもアームローテーションは完成しません。
右手と左手を同調させることを意識する
右手の動きが疎かになる人は、右手の動きを意識した右手主導のスイング。
左手の動きが疎かになる人は、左手の動きを意識した左手主導のスイング。
おそらく多くのアマチュアゴルファーは、この二択で悩んでいると思われます。
正しいアームローテーションは、右手と左手を同調させることが理想です。
左手でクラブをリードしながら、右手でパワーを伝える。
右手にも左手にも意識が偏ることなく、常に両手を同調させる(左右の腕の役割を同時に行う)ことを目標に練習してください。
同調させる練習の中で、右手の動きが疎かになれば右手の動きを意識しながら両手を同調させる。
左手の動きが疎かになれば左手の動きを意識しながら同調させる。
両手を同調させることができれば、正しいアームローテーションの完成です。
腕の動きを身につけるには、ストレッチ・筋トレで腕・肩まわりの筋肉に刺激を与えることが近道になります。
→【1日30分/週1回】自宅でできるゴルフの為の腕・肩まわりトレーニング
→【ゴルフの為のストレッチ#1】首まわりの筋肉をほぐす
→【ゴルフの為のストレッチ#3】肩・腕・肘まわりの筋肉をほぐす
「右利きだから左手主導」はナンセンス
「右利きの人は、右手に力が入るから左手主導にしましょう。」
「右手は添えるだけで十分。」
よく聞くアドバイスですが、鵜呑みにしてはいけない言葉です。
右利きの人でも、外旋の動きが出来ていなければ右手の動きを意識した練習が必要です。
左手を意識したからといって、それらの問題点が解決できるわけではありません。
右手の動き・左手の動き・腕の力加減を身に付けるためには、片手打ちの練習をお勧めします。
ヒジの使い方の解説です。
腕を正確に動かすためには、ヒジの動かし方が非常に重要になります。
ヒジの動きを身につければ、腕の動きの不安も解消され、スイングにおける悩みも減らせることができます。
身体の使い方のまとめ解説です。
「股関節」「肩甲骨」「背骨(体幹)」「腕」「ヒジ」「手首」の6つの項目についての解説をまとめています。
この6つの動きを正しく身につければ、あなたのゴルフスイングの基本は完成します。
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