前回は、パッシブトルクが発生する原理についての解説でした。
先にお読みいただくことをお勧めします。
→誰でも分かる!パッシブトルク打法の原理をどこよりも詳しく解説
今回は、パッシブトルク打法を実践するための方法について解説します。
4スタンス理論のAタイプ・Bタイプによって方法は変わります。
※「4スタンス理論」の診断についてはこちら
(Aタイプ・Bタイプの診断だけで大丈夫です)
パッシブトルク打法のポイントをおさらい
パッシブトルクについて簡単におさらいします。
パッシブトルクは必ず発生する力
ゴルフクラブのヘッドを立てると、クルッと回転します。
このクルッと回転する力がパッシブトルク(勝手に回る力)です。
パッシブトルクにはプラスの向き(フェースが閉じる)とマイナスの向き(フェースが開く)があり、どんなスイングをしても必ず発生する力です。
トップの位置でフェースを開ける
通常のスイングでは、トップの位置でパッシブトルクはゼロの状態になっており、ヘッドが勝手に回る力は発生しません。
通常のスイングでパッシブトルクが発生するタイミングは、ダウンスイング後半です。
トップの位置でフェースを開くことで、パッシブトルクが発生する状態になります。
通常のスイングではダウンスイング後半から発生していたパッシブトルクが、トップからの切り返しのタイミングで発生するようになります。
このトップの位置でフェースを開く動きが「パッシブトルク打法」のポイントです。
トップでフェースを開く方法
フェースを開くタイミングは2種類ある
フェースを開くタイミングは2種類。
4スタンス理論のタイプで分かれます
- Aタイプ:トップの位置で既に開いている
- Bタイプ:切り返しのタイミングで開く
Aタイプは、トップの位置で既にフェースを開いている
分かりやすい選手は、ダスティン・ジョンソン選手です。
トップの姿勢で、フェースは真上を向くほど開いています。
そのまま通常のスイング軌道で切り返しをおこなうので、見た目にはパッシブトルク打法をしているようには見えません。
4スタンス理論でAタイプの主な選手
- タイガー・ウッズ(A2)
- 松山英樹(A1)
- ダスティン・ジョンソン(A2)
- キャメロン・チャンプ(A1)
- ローリー・マキロイ(A2)
Bタイプは、トップから切り返しながらフェースを開く
パッシブトルク打法の解説でよく取り上げられているセルヒオ・ガルシア選手です。
切り返しの動きの中でフェースを開いていきます。
シャフトが寝る・ヘッドを背中に回す・腕を下に下ろすなど、一般的なパッシブトルク打法で解説されている特徴は、Bタイプの動きの特徴です。
4スタンス理論でBタイプの主な選手
- セルヒオ・ガルシア(B1)
- リッキー・ファウラー(B2)
- バッバ・ワトソン(B2)
- ジェイソン・ダフナー(B2)
フェースを開く身体の使い方
トップの位置でフェースを開くための身体の使い方は、AタイプとBタイプで異なります。
4スタンス理論のタイプ別特徴をおさらいします。
AタイプとBタイプの違い
Aタイプは、なるべく肘を動かさないでスイングします。
右肘は、トップの姿勢でも体の正面に位置します。
腕の三角形をキープする、両肘の距離を一定に保つ、両肘にボールを挟んだままなどの表現をするのはAタイプの特徴です。
Bタイプは肘を動かしてスイングします。
トップの位置では、右肘は体の横に位置します。
(動かす範囲は選手によって大きく異なります)
Bタイプの右手の動かし方は、何かの動作に例えられる場合が多いです。
ボールを下に投げる、パンチを打つ、など。
Aタイプのフェースを開く動き
Aタイプは肘を動かさないでフェースを開くので柔軟性が無いと難しい動きになります。
フェースを開く動きの基本は、
- 右手の外旋の動きを大きくする
- 左手首の掌屈
これらの動きを行ってフェースを開きます。
右肘を少し前方に出すと、フェースは開きやすくなります。
Bタイプのフェースを開く動き
Bタイプは、右肘の動きでフェースを開きます。
バックスイングからトップ、トップから切り返し、この一連の動きを右肘で弧を描くように動かすと切り返しでフェースを開くことが出来ます。
一般的に言われているパッシブトルクの打ち方である、
- シャフトを寝かせる
- 体の後ろを通らせる
- 腕を真下に下ろす
これらの動きは、全てBタイプの特徴です。
実際は、右肘で小さく弧を描く動きをしているだけです。
パッシブトルク打法を難しくする無駄な動き
腕を真下に下ろす動き
腕を真下に下ろす動きを入れてしまうと、腕の動き・スイング軌道が大きく乱れてしまいます。
特に、左手は大きく動かさず、右手・右肘の動きでフェースを開くことを意識してください。
シャフトを寝かせる動き
画像は極端な動きですが、切り返しでシャフトを寝かせようとするとスイングが難しくなります。
シャフトを寝かせて起き上がる動きがパッシブトルクという解説もありますが、無駄な動きを増やしているだけでデメリットが大きくなる動きです。
ヘッドが大きく動くパッシブトルク打法はBタイプの特徴
Aタイプの人が、ヘッドやシャフトを大きく動かす(寝かせる)ことを意識したらスイングが乱れるだけです。
Aタイプのスイングは見た目ではパッシブトルク打法だと分かりません。
分かりませんが、パッシブトルクは切り返しから発生しています。
肩・肩甲骨まわりの柔軟性を高めるストレッチ
トップでフェースを開く動きは、肩や肩甲骨まわりの柔軟性が必要になってきます。
柔軟性が高ければ、無理なく大きくフェースを開けることが出来るのでパッシブトルク打法も楽に行えます。
両腕をねじった状態で、軽くスイングをするように肩・肩甲骨を動かしてください。
パッシブトルク打法に必要な柔軟性が身に付きます。
パッシブトルク打法の練習方法
軽い素振りから始める
パッシブトルクが発生しやすいSWで軽い素振りをすると、パッシブトルクの力を感じやすいです。
通常のスイングと、トップからの切り返しでフェースを開くスイングをしてヘッドが走る感覚を覚えてください。
切り返しからインパクトまでのスピードが変わる
パッシブトルク打法がうまく出来ると、軽いスイングでもヘッドが走ります。
特に、切り返しからインパクトまでクラブが勝手に動くような感覚になります。
トップでフェースを開くための肘や肩の動きだけを調整してあなたに合ったパッシブトルク打法を身に付けてください。
決して、シャフトを寝かせようとしたり、腕を下ろそうと意識してはいけません。
柔軟性が不足している人におすすめの記事です。
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