前回は、股関節の基本的な動きと股関節を動かす筋肉について解説しました。
今回は、ゴルフスイングにおける股関節の動かし方(内旋運動)の解説です。
しっかり身に付けることができれば、飛距離アップとスイングの安定が得られます。
- 股関節を入れる・乗せるとは、内旋運動のこと
- 3STEPで股関節の動かし方を身に付ける
- ゴルフスイングにおける股関節の使い方
- 股関節の動かし方は、大谷翔平選手からも学べる
スイングの土台。股関節の内旋運動を身に付ける
股関節の内旋運動を使った動きを紹介
まずは、あらゆるスポーツで見られる股関節の内旋運動を紹介します。
実際に動きを真似してみると、股関節の内旋運動がどういう動きなのか分かります。
これが、股関節の内旋運動の動きになります。
一般的に、「膝を曲げる」・「腰を落とす」動きと連動します。
ファッションモデルの、あの独特の歩き方も股関節の内旋運動によるものです。
股関節の内旋運動は、しっかり意識しないと出来ない動きです。
太ももの内側の筋肉、太ももの付け根の筋肉、お尻の筋肉を意識して動かしてください。
しっかり動かせている時は、これらの筋肉に張りを感じることが出来ます。
張りを感じることが出来ていない場合、十分に内旋運動が出来ていないということになります。
股関節の動きを身につけるには、ストレッチ・筋トレで太もも・お尻の筋肉に刺激を与えることが近道になります。
→【1日30分/週1回】自宅でできるゴルフの為の下半身トレーニング
→【ゴルフの為のストレッチ#6】股関節・太もも・お尻まわりの筋肉をほぐす
3ステップで、股関節の入れ方、乗せ方(内旋運動)を身に付ける
股関節の内旋運動1 骨盤・ヒザを固定して太ももを回す
・ヒザを前方に上げてください。
・骨盤・ヒザを動かさないで、ヒザを中心に太ももを内側・外側に動かしてください。
これが、内旋運動・外旋運動になります。
股関節を動かす時は、太もも内側の筋肉・お尻の筋肉をしっかり意識するとスムーズに動きます。
股関節の内旋運動2 足・膝を固定した内旋運動
次に脚(膝)を固定した内旋運動を体感してください。
足を固定させるため、結果的に骨盤が動くことになります。
太もも内側の筋肉、太もも付け根の筋肉をしっかり意識してください。
・軽くヒザを曲げた状態で立つ。
・右ヒザを動かさないタイプの人と、両膝を積極的に動かすタイプの人とに分かれます。
・上半身は常に正面を向けたまま。
・この状態で内旋運動をおこなうと、結果的に骨盤を回転させる動きになる。
この動かし方は、ゴルフスイングの動きに近いものとなります。
※若干、膝を意識すると動かしやすくなります。
股関節の内旋運動3 ヒザを曲げて更に内旋させる
膝を大きく曲げることにより、更に大きく内旋させることが出来ます。
太ももとお尻の筋肉を使います。
大きく内旋させる事により、より大きなパワーが生み出されます。
ゴルフスイングにおける股関節の入れ方、乗せ方(内旋運動)
それでは、ゴルフスイングにおける股関節の内旋運動の解説をしていきます。
ゴルフスイングにおける内旋運動の特徴は、骨盤の動かし方にあります。
アドレスからトップまでの動き 右股関節の内旋運動
・右太ももに力を入れる
・上体や頭が前後左右に動かないように注意する
(頭の固定、前傾姿勢の維持)
・正しく内旋できると、骨盤が自然と右回転する。
内旋運動がMAXの状態は、ゴルフスイングにおけるTOPの位置になります。
この時に軽くヒザを曲げると、更にパワーを溜め込むことが出来ます。
正しい内旋運動が出来ている場合、
・右太ももにパワーを貯める感覚が得られます。
・右足の足の裏でしっかり地面を掴む感覚も得られます。
股関節の内旋運動がピンとこない場合は、膝を大きく曲げてください。
太もも周りの筋肉が不十分な場合、太ももがパンパンに張って体を支える事が出来ないかもしれません。
また、蓄積したパワーを開放するためにも最低限の筋肉は必要になってくるので、
「膝がふるえる」「上体を安定して支えられない」など不安定な状態になる場合は、筋肉を鍛える必要があります。
ダウンスイング前半の動き 右から左股関節の内旋運動へ
・右足の足の裏全体で地面を踏ん張り、飛球線方向へ蹴り出す。
・骨盤を飛球線方向へ真っ直ぐ動かす。
(飛球線方向へスライドさせる動き)
・1連の動きを左足で受け止める。
(この段階で右股関節の内旋運動は開放されます)
この動きは、右股関節の内旋運動で貯めたパワーを開放する為の重要な動きになります。
まず、右足の足の裏全体でしっかり踏ん張り、飛球線方向へ力強く蹴り出します。
最初のうちは、蹴り出す意識は少しでいいですが、右足の足の裏全体で左側へシフトさせる意識は持ってください。
飛球線方向へ蹴り出す際に注意しなければいけないことは、骨盤を回転させないことです。
骨盤はTOPの位置から真っ直ぐ飛球線方向へスライドさせます。
赤い斜線部分の外に骨盤がはみ出さないこと。
骨盤を回転させる意識があると、はみ出します。
骨盤は、飛球線方向へスライドさせます。
ダウンスイング後半の動き 最後はヒップターン
ヒップターンの動きとは
- 左のお尻を後ろに引く動き
- 左膝を伸ばす動き(地面を蹴る)
- 左膝を大きく伸ばして、軽くジャンプする場合もある
ヒップターンの動きの最大の目的は、ボールにパワーを伝えることです。
インパクトからフィニッシュにかけて、ボールを強く押し込むための動作になります。
ヒップターンの動きでボールを押し込む
ヒップターンに注目して、プロゴルファーのスイングを観察してみてください。
大きな力が必要なドライバーショットでは、ヒップターンを最大化した動きをしています。
パワーは必要ない、安定を求めるアイアンショットでは、力強いヒップターンはしていません。
ヒップターンで骨盤を正面に向ける
左股関節の内旋運動だけでは、骨盤が正面を向きません。
ヒップターンの動きを入れて、上半身全体を正面へ向けます。
※骨盤を回転させる意識でスイングすると、フィニッシュの形を取ることが難しくなります。
フォローの姿勢
一連の動きが正しく出来ると、
- フィニッシュ時に左足のつま先が少し浮きます。
- 両足の太ももがぴったりと接します。
- 左足のヒザが伸びます。
これで、冒頭の大谷翔平選手・松山英樹選手のフィニッシュと同じ体勢になることが出来ます。
余談 大谷翔平選手から学ぶところ
余談ではありますが、大谷翔平選手の凄いところは、この股関節の動かし方が左(バッティング)・右(ピッチング)ともにパーフェクトに出来ている事です。良き指導者に恵まれていたのか、自力で身に付けた動きなのかは分かりませんが、大谷選手ご本人は股関節の使い方をしっかり理解できています。
投げては剛速球!
打ってはホームラン!
しかもメジャーリーグで!
大谷選手が、これらを体現出来ている理由が、股関節を正しく使えているということなのです。
(もちろん、股関節だけが理由ではありませんが)
股関節の内旋運動はパワーの源になります。
ゴルフで例えるなら飛距離に直結する動きです。
また、安定性もアップします。
必ず正しい動かし方を身に付けてください。
股関節の使い方の解説、第3回。
腰や骨盤を意識しない方が良いことについて。
腰や骨盤を回そうとしない方が良いことについて。
股関節の動きを意識していない場合、もしくは股関節をうまく使えていなかった場合、どのような動き(フィニッシュ)になるかを解説しています。
悪いクセ(間違った意識、間違った動き)を修正するための解説です。
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