ゴルフスイングの解説でよく耳にするテーマ「タメを作る」についての解説です。
ダウンスイングで、腕とシャフトがL字になる方法も合わせて解説します。
ゴルフスイングにおける「タメ」とは何なのか
タメの作り方の解説の前に、少しだけ。
ゴルフスイングにおける「タメ」とは何なのか。
ゴルフスイングにおける「タメ」について考える
「タメ」って、何なんでしょうね・・・
雑誌やレッスン動画では、さまざまな解釈でさまざまな解説がされています。
ゴルフスイングにおける「タメ」の定義なんてありません。
それぞれの指導者が、それぞれの解釈で「タメ」について解説しているのが現状です。
テニスにも野球にも「タメ」は存在する
実は、テニスにも野球にも「タメ」という言葉は存在します。
私は、野球の経験は無いですが、テニスはもう25年もやっています。
テニスとゴルフの「タメ」は分かります。
・上半身と下半身の動きのタイムラグ
という表現が正しいような気がします。
もちろん、下半身の動きが先です。
トップの位置から下半身は始動しているのに、上半身はまだ動いていない。
下半身は加速しているのに、上半身はゆっくり始動したばかり。
このわずかな時間差を「タメ」と呼んだらいいと思います。
そして、「タメ」をつくることに慣れてくると、この時間差をコントロール(可能な限りためる)することで、スイングをコントロールします。
上半身の動きをなるべく遅らせる。
この、「遅らせる」という感覚が「タメ」という表現になっていると考えられます。
世界のホームラン王「王貞治」選手から「タメ」を学ぶ
この動画の中で、「タメ」について語っている部分があります。
野球のバッティングですが、ゴルフに共通した話が多いです。
※王貞治選手は、4スタンス理論では「A2タイプ」です。
私もA2タイプなので学ぶことが多かったといえますが、基本的な身体の使い方については全てのゴルファーに共通しています。
「タメ」をつくれるようになると、スイングをコントロールする楽しみが増える
「タメ」をつくれるようになると、
「あ!これがタメという感覚か!」
と嬉しくなります。
「タメ」をつくる。上半身をなるべく遅らせるようにする感覚。
これでスイングをコントロールできるようになります。
腕とシャフトをL字にすることを意識しても、タメは作れません。
本当の、「タメ」の作り方について解説していきます。
ゴルフスイングで「タメ」を作るためには、股関節の動きが絶対に必要
トップの位置で、右股関節の内旋運動ができていることが条件
ゴルフの解説では語られることはありませんが、「タメ」を作るために一番大切なことは、股関節の動き(内旋運動)です。
この動きがないと、スイングに「タメ」を作ることは絶対にできません。
「タメ」を作るには下半身リードで!と言われます。
そして、下半身リードでスイングするためには、トップの位置で股関節の内旋運動ができている必要があります。
余談ですが、テニスでも野球でも同じです。
私がテニスを始めて数年が経った頃、「タメ」を作りなさいと言われるようになりました。
しかし、どんなに頑張っても「タメ」はできません。
スイングに「間」をつくることは分かっているのですが、「間」ができません。
結局、テニスで「タメ」が作れるようになったのは、下半身の動きを意識するようになった時でした。
つまり、股関節の内旋運動を意識するようになってからです。
股関節の動きを意識すれば、すぐに「タメ」のあるスイング(テニスの)が出来るようになりました。
ゴルフスイングでも同じです。
どんなに上半身を遅らせてスイングしようとしても、股関節の内旋運動が伴っていないと下半身リードのスイングはできません。
下半身の動きが正しく出来ていないと、必ず上半身からダウンスイングが始まります。
ゴルフスイングで「タメ」を作るためには、股関節の動きが必須なのです。
トップの位置から、下半身だけを始動する
下半身リードについて
下半身リードとは、どういうことか?
・トップの位置からの切り返しで、下半身から動き始めること。
・下半身の動きが常に先行していること。
常に下半身の動きがリードしていることが重要で、難しい動きでもあります。
「タメ」を作ったままインパクトを迎えるためには、常に下半身の動きがリードしていることが重要です。
下半身リードのポイントは2つ。
下半身リードのスイングをするためのポイントは2つです。
1.トップからの切り返しは、股関節から始動する
2.股関節の動きに合わせて、背骨(体幹)を側屈させる
この2つのポイントが下半身リードのスイングの起点になります。
1.股関節から始動。骨盤を左にスライドさせる動き
股関節の動きは、骨盤の動きとも言えます。
※「骨盤」という表現を使うと、意識が「腰」にいってしまうことが多いので、「股関節」という表現を使います。
トップで右の股関節の内旋運動がMAXになっているので、切り返しでは右の股関節の内旋運動を開放します。
分かりやすく言うと、右足で地面を蹴る動きです。
右足で地面を蹴ることから切り返しを始めることが、結果的に下半身から始動することになります。
見た目は、骨盤を左にスライドさせる動きになります。
2.股関節の動きに合わせて背骨(体幹)を側屈させる
右足で地面を蹴り、切り返しで股関節だけを動かすと、頭が動きます。
頭の位置をキープするために、背骨(体幹)を右に側屈させます。
腕はいっさい動かしません。
見た目には、腕も大きく動いていますが意識して動かす必要は無いです。
背骨(体幹)を右に側屈させると、右肘が脇の横まで降りてきます。
このとき、右肘の位置だけ気を付けてください。
背骨(体幹)を右に側屈させ、右肘の位置だけ気をつける。
背骨(体幹)を左に回転させる動きをしてはダメです。
必要な動作は、背骨(体幹)を右に側屈させるだけです。
→【背骨(体幹)の使い方の基本 #2】側屈は頭を動かさない為に必要な動作
「タメ」ができると、上半身が引っ張られるような感覚になる
股関節と背骨(体幹)の側屈の動きだけで、一般に言われている「タメ」の状態が完成します。
「タメ」の状態では、上半身・左腕が右側へ引っ張られるような感覚になります。
上半身・右腕を、身体の右側に残すと表現されることもあります。
そして、トップの位置から腕・手首を動かしていなければ、腕とシャフトはL字になっているはずです。
ここからインパクトゾーンに向けて、右手首のヒンジの開放を行うだけです。
次回は、腕とシャフトがL字になる方法について解説します。
無駄な動きが無ければ、自然にL字になるのですが・・・・
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