今回は、フィニッシュの形についての解説です。
- ゴルフスイングの目的は、正しいフィニッシュを取ること
- ゴルフスイングには、2つの円運動が存在する
- 首が軸の円運動、手首が軸の円運動
- 2つの円運動が同期した瞬間が、フィニッシュである
- インパクト用バッグの使い方
正しいフィニッシュを取ることが、ゴルフスイングの目的
正しいフィニッシュの形は、ゴルフスイングの基本
ゴルフスイングの基本で最優先事項は、正しいフィニッシュを取ることです。
正しいフィニッシュを取ることは、理想や夢物語ではありません。
基本中の基本です。
正しいフィニッシュを取るためにスイングをする
正しいフィニッシュを取ることが、ゴルフスイングの目的と言えます。
- グリップも
- アドレスも
- バックスイングも
- トップの形も
- 切り返しも
全ては、正しいフィニッシュを取るための動作です。
ゴルフスイングの目的を明確にすることが、ゴルフの上達に繋がります。
ゴルフスイングの正しい目的
- 正しいフィニッシュが、スイングの「ゴール地点」
- 一番力を入れる(入る)ポイントは、フィニッシュ
ゴルフスイングの間違った目的
- インパクトが、スイングの「ゴール地点」
- 一番力を入れるポイントは、インパクト
スイングの目的は、インパクトかフィニッシュか。
わすがな違いではありますが、この僅かな意識のズレがゴルフスイングに大きく影響してきます。
ボールを打つことを目的としてしまうと、スイングは乱れやすいです。
正しいフィニッシュを取ることを、ゴルフスイングの目的にしてください。
正しいフィニッシュの形とは?
正しいフィニッシュの形を理解してもらう為に、ゴルフスイングのメカニズムを簡単に紹介します。
背骨を軸に回転するのは間違い
ゴルフスイングは、背骨を軸にして回転さえると言われますが、それは間違った認識です。
スイング中に、背骨は左右に側屈します(曲がります)。
回転軸が曲がることはありえないことです。
ゴルフスイングは、2つの「点」を軸にしてヘッドを動かしています。
ゴルフスイングは2つの円運動でできている
ゴルフスイングには、2つの円運動が存在します。
- 首の付け根を軸にした、肩のラインの円運動
- 手首を軸にした、ゴルフクラブの円運動
2つの円運動は、スイング中バラバラに動きます。
正しいフィニッシュを取るためには、この2つの円運動を正しく動かす必要があります。
首の付け根を軸にした、肩のラインの円運動
1つ目の円運動は、肩のラインの円運動です。
この円運動の回転軸は首の付け根であり、首の骨(背骨の一部)と直角に回転します。
肩のラインの回転角は45度前後です。
肩甲骨の柔軟性が高いと、回転角は大きくなります。
※一般的に言われている、トップで肩を90度回転させるというのは間違いです。
30度でも40度でも全然問題ありません。
この円運動の目的は、手首を動かすことです。
もう1つの円運動の軸である手首を加速させることができれば、結果的にヘッドを走らせることに繋がります。
そして、肩のラインを回転させる動きは、肩甲骨の動きのみで行います。
肩甲骨を動かすだけで、肩のラインは円運動します。
肩甲骨の動かし方についての解説はこちら
※パターは、この肩のラインの円運動のみで打ちます。
手首を軸にした円運動は使用しません。
手首を軸にした、ゴルフクラブの円運動
2つ目の円運動は、ゴルフクラブの円運動です。
この円運動の回転軸は、手首です。
スイング中は、グリップエンドを意識することもあります。
肩の円運動で加速させた手首を、うまくクラブの円運動に繋げることでヘッドを加速させます。
ゴルフクラブの回転角は90度です。
ダウンスイングでタメを作ったときは腕と直角で、フィニッシュの瞬間に腕と一直線になります。
フィニッシュの後のクラブは惰性で回転します。
※クラブヘッドの回転を見ると、トップからフォローまで360度以上回転させなければならないと考えてしまいがちですが、実際に意識して動かす角度は90度だけの円運動です。
手首を軸にした円運動は、右手首のヒンジをリリースすることによって始まります。
右手首のヒンジをキープしている間は、クラブは円運動を始めません。
右手首についての詳しい解説はこちら
→【手首の使い方の基本#2】右手首のヒンジの動きでスイングは激変する
※アプローチは、クラブの回転角を調整することで飛距離をコントロールします。
フルスイングが90度なら、60度、45度、30度と回転させる角度を調整します。
正しいフィニッシュは、2つの円運動が重なったとき
正しいフィニッシュの形とは、2つの円運動の動きが1つに重なった瞬間です。
2つの円運動の軸(首の付け根・手首)とゴルフクラブ(ヘッド)が一直線に揃った瞬間です。
この瞬間が、正しいフィニッシュの形であり、
この形を取ることがゴルフスイングの目的であり、基本中の基本動作といえます。
フィニッシュの瞬間について
フィニッシュの瞬間は、スイングのパワーが最大になる
2つの円運動が1つに重なるとき、円運動のエネルギーが最大になります。
つまり、一番パワーを発揮できる瞬間です。
正しいフィニッシュの形とは、スイングで生まれたエネルギーを開放できる形のことです。
インパクトの瞬間は、力が入らない姿勢
写真と同じ姿勢を真似してもらうと分かりますが、
インパクトの瞬間の姿勢は、ほとんど力が入らない姿勢です。
インパクトで力を出し切るというイメージとはかけ離れています。
インパクトでは力を入れないという不思議な感覚を覚えておくことも大切です。
初心者によく見られるフィニッシュの形
インパクトで力を出し切ろうとすると、インパクトの瞬間に腕とクラブが一直線になります。(インパクトとフィニッシュが重なっている状態)
アドレスの姿勢から前傾姿勢が崩れて、膝も上体も伸びっきた状態になります。
前傾姿勢が崩れる大きな原因は、インパクトで力を出そうとする意識にあります。
2つの円運動が1つになる瞬間をインパクトに設定すると、スイングの全てが崩れてしまいます。
フィニッシュの瞬間に全ての力を出し切るように意識すると、身体の伸び上がりも防ぐことが出来ます。
インパクトバッグを使ってフィニッシュの形を覚える
練習器具にインパクトバッグというものがあります。
小さなサンドバッグのような袋です。
インパクトバッグで練習する目的は以下のように言われています。
- インパクトでボールを強く叩く感覚を覚える
- ヘッドを走らせる感覚を覚える
ですが、この使い方は間違っています。
使い方を間違えるとマイナスの効果しかありません。
正しい使い方をするとインパクトバッグの効果は絶大です。
インパクトバッグの間違った使い方
※バランスボールで代用しています。
インパクトの位置にバッグを置いてこの練習をすると、インパクトの瞬間に力を出し切ってしまう間違ったスイングが身についてしまいます。
クラブをしっかり振り切ることを覚える効果はありますが、間違ったインパクト・フィニッシュの形を覚えてしまうため、この練習方法はお勧めできません。
正しいインパクトバッグの使い方
インパクトバッグを仮想したフィニッシュの位置に起きます。
左側の少し高い位置に置いてバッグを叩く練習をすると、効果抜群です。
- クラブを振り切る感覚
- 正しいフィニッシュの形をつくる
- フィニッシュで力を入れる
- 下半身を使う感覚も覚えられる
ゴルフスイングの目的である、正しいフィニッシュの形を覚えることが出来ます。
この練習の最大の効果は、股関節の正しい動きが身に付くことです。
通常の練習では、股関節の動きを身に付けることは難しいのですが、インパクトバッグを叩く事によって必然的に股関節の動きを覚えることができます。
数ある練習器具の中でも、インパクトバッグは最高の練習器具と言えます。
※室内で練習する際は、周囲に気を付けて練習してください。
正しいフィニッシュを取ることを目的に練習をする
- ゴルフスイングは、正しいフィニッシュを取ることが目的
- 2つの円運動を理解する
- 正しいフィニッシュが取れるように、フィニッシュからスイングを逆算する
- インパクトで力を入れようとしない
- インパクトバッグを使う練習は、非常に効果的
正しいフィニッシュを取ることを目的に練習をすると、スイングの上達も早くなります。
フィニッシュが取れない、フィニッシュでバランスが崩れるといった悩みも無くなります。
フィニッシュを取る練習をすると、ボールを打つ瞬間の感覚が大きく異なってしまいます。
一時的に、全くボールが打てなくなることも十分に考えられます。
それでも、正しいスイング・正しいフィニッシュを取ることを目的として練習する方が結果的に上達のスピード早める事になります。
フィニッシュの形を意識して、ゴルフスイングの動きを逆算してください
→【ダウンスイング後半の基本#1】
→【ダウンスイング前半の基本#1】
→【バックスイングの基本#1】
→【アドレスの基本#1】
→【グリップの基本#1】
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